健斗のマビノギブログ

マビノギの小説や感想のブログです

ブラックから始まるエリン生活 第6話 ティルコネイルの住人達 2

旅館前から歩き、雑貨屋を見つけた。
店員は細い顔と痩せた体で病弱そうな印象を与えるが、きれいに整えられた金髪は病弱そうな印象を取り除いてくれる。

「あ、田中健斗さんですね?僕は雑貨屋を営んでいるマルコムといいます。村の方から話を聞いて、ぜひ一度お会いしたかったんです。」
やはりのどかな田舎だけあってあっという間に噂が村全体に広がっているらしい。

「フォーガスさんやノラさんも似たようなことを言っていました。」
「フォーガスさん達のところにもいってきたんでね。鍛冶屋で武具を修理できますが、服や雑貨はこの村の場合服はノラが、楽器やその他雑貨は僕が修理を行っています。」
(武具、服、雑貨、これでいずれ修理が必要になってくる物の修理できる場所は把握できたかな。)


「村のみんなが健斗さんに会いたがっています。久しぶりにやってきた旅人さんだから、興味津々なようですね。村の北側にあるヒーラーの家にはいってみましたか?ディリスも会いたがっていました。」
(ヒーラーか。癒しには興味あるな。思えば癒しとは無縁な唯々疲れる人生だったし……)

 

 

雑貨屋を出てヒーラーの家を目指してみた。北側にはなぜか褐色のキツネ大勢いて鶏を攻撃してるのがいる。
教会の鶏だろうしやられるとまずいのではと思いキツネを追っ払った。

その後、ヒーラーの家らしき場所に来た。
中にはグリーンのヒーラードレスを着たスマートな成熟な女性がいた。
「あ、ようこそ。田中健斗さんですね?将来有望な冒険者さんがやってきたと言うから、私も一度会ってみたかったんです。」
「将来有望といわれると照れますね。しばらくこの村でゆっくりするつもりですし。」
「冒険に備えるんですね。プロの冒険家は非常時に備えてい様々なアイテムを常備しているんですよ。ポーションや包帯とか。そういうのは各村のヒーラーの家を訪問すれば買うことができますよ。」
ポーション関係はヒーラーの家か。教会じゃないんだな。

 

「あ、そうだ。」
と、言ってディリスはサラブレッドの笛をくれた。
ティルコネイルは小さな村ですが、歩いて見回るのは大変だと思います。今渡したのはサラブレッドの笛です。きっと健斗さんの移動をサポートしてくれるでしょう。」
どうやら笛を吹いたら馬が召喚されるらしい。
(これからを気遣ってこんないい物まで、まるでナオのような優しさを感じる女性だ。)
「今吹いてみてもらえますか?」
「え!?今ここでですか?」

建物の中で馬を召喚させるなんて大丈夫なのかと思いながらも、実際早く吹いてみたくてたまらなかったため言われた通り吹いてみた。
するといきなり何もなかった場所に馬が現れた。やはりちょっと手狭になった。

 

「可愛らしいお友達が出来ましたね。その子がこれから健斗さんの旅のお伴になるでしょう。名前を考えてあげてくださいね。」
「では、貞晴と名付けます。」
「……」
どうやら呆れられたようだ。私のネーミングセンスは壊滅的なようだった。
(なんかごめんな貞晴。でもお前は貞晴だ。)
ディリスに礼を言って外に出た。

 


「さあ貞晴、俺たちの初めての散歩だ!」
といい、健斗は貞晴に乗った。

「さあ、出発だ!」
「ヒヒーン!」
元気よく鳴いた貞晴は一気に駆けだした。
「おお!」

まだ少し幼いがしっかりとしていて、風を切る感じも乗り心地もいい。
普通、乗馬は慣れないと乗り心地は悪いと聞いたが貞晴は別格のようだ。
慣れない目線や振動など感覚に最初は戸惑ったがすぐに慣れて快適に思えた。

南に向かって走っていくとやがて一面の麦畑にでた。
夕日に照らされた麦畑は黄金のように輝いていてとても美しかった。

「きれいだ。まるで前世の疲れが癒されていくようだ。」
健斗は心が癒されていくのを感じ名がこれからの事がたまらなく嬉しくなった。
やがて、健斗は自分の本当の人生はエリンで始まるのだ思えるようになった。