健斗のマビノギブログ

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ブラックから始まるエリン生活 第5話 ティルコネイルの住人達 1

聖堂を後にして、一通りティルコネイルを見て回ることにした。

「ヒゲは男のロマン~ロマン~ロ~~マン~だ、ぜ~♪」

妙な歌が聞こえたから見てみると看板からしてどうやら鍛冶屋のようだ。
黒いひげと日焼けした肌が特徴的なオッサンがいた。

「おっと、お客さんか。あんたが田中健斗か?」

「はい、そうです。」

「噂通りいい感じの奴だな。ウワッハハハ!、」

噂になっているのか?
「俺はフォーガス。鍛冶屋をやっている。これからよろしくな。
ところであんた、武器の管理はどうしている?たとえいい武器であっても管理を怠ってはいかん。
武器には耐久力というものがある。邪険に扱ったら、すぐに壊れちまうぞ。」

「耐久力が0になったら、そのアイテムはもう使えなくなる。
熟練度がたまれば改造ができる。アイテムを使うほど耐久力は減り、熟練度はアイテムを使うほどたまるものだ。
武器の耐久力が低くなったら、俺を訪ねて修理を頼むといい。安くしてやるからさ。俺に任せろ!ウワッハハハハッ!」

「大事に使いますが、その時が来たらお世話になりますね。」

「そうだ、出会った記念に無料で修理できるクーポンをやるよ。」
「ありがとうございます。とびっきりの装備を手に入れたら大事に使わせてもらいますね。」

―きっとこの時、誰かがそこにいたらこう言っただろう 『おい馬鹿やめろ!?』と。
健斗がそれを知るのはもう少し後だった。

 

再び散策を始め、ある建物の前についた。
建物の前には濃い蜜色のショートヘアの少女がいる。
湖のような青い瞳の彼女の表情は好奇心にあふれている。
髪の毛でよく見えないが、十字架の模様をしているピアスが丸い耳につけられているようだ。
「あれ、あなた田中健斗さん?」

やはり噂になってるのか?
「はい、あなたは?」
「ようこそ、田中健斗さん。私はノラ。そしてここは旅館!観光客たちの憩いの場で~す!
旅人の体と心を休ませる、とっても大事な役割を果たしているのです!」
とても元気な人だな。
「というわけで、「休憩」スキルについてお教えしましょう!」
「いきなりだね…」
「いままでとても疲れて生きてきたみたいな顔だから教えてあげたいの!」
「!?」
この子は私の今までの生き方を察したようだ。
接客業だけあっていろいろな人達を見てきたのだろう。
疲れ切った私を見抜いて休み方を教えてあげたいというのだ。優しいいい子だ。
確かに休憩にもスキルがあるのなら是非とも教えてもらいたい。

「基本的に、休憩はスタミナを回復させるスキルです。でも、ゆっくりですが傷を癒す効果もあるのです!」
スタミナと治癒能力を高めるか。前の人生でも欲しかったスキルだ。
「冒険家は強くなることも大切ですけど適切な休憩で体の緊張を解し、最大級の調子を維持することも大事なのです!」
スキルを教えてもらい、スキル画面に「休憩スキル」が表示された
「後で使ってみてくださいね。」
「ありがとう、大事に使わせてもらうね。きっとこれから一番使うスキルだよw」