健斗のマビノギブログ

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ブラックから始まるエリン生活 第4話 異世界で初めての村ティルコネイル

ティン師匠と別れしばらく歩くとのどかな村に到着した。
ここがティルコネイルだろうか。
紹介状を渡す村長の家を探した。
その家の前に額と眉間にある深いしわ、そして白髪と長い髭が印象的な老人がいた。
かなりの老齢のようだが、その瞳には強い輝きがある。
「あの、すみません。私はナオさんから紹介されてきた田中健斗と言います。村長さんですね?」
「ああ、私がここの村長のダンカンだ。ティルコネイルにようこそ。久しぶりのお客さんだな・・・」
ナオからの紹介状を渡した。
「ほう、ナオからの手紙だね。いつまでも子供だと思っていたナオが、こんなに礼儀正しい手紙をかくとは・・・。もう子ども扱いしてはいかんな。」
孫の成長を喜ぶ祖父のようだ。
「君はこのウルラ大陸の現状を知っているかね?残念なことにウルラ大陸は平和ではない。
各地に出没するポウォールたちがこの世を威嚇し、前例のない事件も多発しておる・・・。」
しばらくのんびり暮らしたいのにこの世界大丈夫か・・・?

「君はこれからこの世界でたくさんの冒険をすることになるだろう。今いる場所がウルラ大陸なのは知っておるか?
この世界エリンには別の大陸も存在している。エルフとジャイアントがいるイリア大陸の事だ。」
(おお!異世界定番のエルフがいるのか。それにジャイアントとは?巨人か?)
大陸移動をするにはアクションスキルを使用しなければならん。アクションウィンドウをひらいてみなさい。」
(え?大陸移動スキルなんてものがあるの?)
いきなり別の大陸に移動できそうで健斗は驚いた。
ウィンドウを操作しアクションスキル画面を開くと確かに大陸移動が存在した
「確かに大陸移動がありますね。」
「今後イリア大陸を冒険したくなったら、大陸移動をしてみなさい。
イリア大陸はウルラ大陸とはまた違う雰囲気の場所だから、いつかぜひ行ってみる事をお勧めする」
(しばらくのんびりとこの世界を知っていったあと行ってみよう。何もわからない今、うかつに行くのはよそう)
健斗の中で大陸移動は興味はあるもののしばらく封印することにした。
地球でも海外旅行に興味はあったものの結局怖くていけなかった口である。


「さて、重い話はこれくらいにして、近所を散歩してみないかね?ちょうどエンデリオン司祭から依頼が届いたばかりだ。
冒険もいいが、生活周りの事をやってみるのもいいだろう。」
まさしく今知りたいのはこの世界での穏やかな生活の情報だ。
「エンデリオン司祭は村の西側にいる。食料品店と銀行の間の坂道に沿って下っていきなさい。その右手に聖堂がみえるはずだ。
分からなければミニマップ画面をみるといい。」
この世界ではマップ画面は当たり前のようだ。まるでGPSを普及しているような便利な世界だ。


ダンカンと別れてしばらく歩くと聖堂にが見えてきた。
その前には薄い黒色の司祭服を着ている女性がいた。
濃い茶色の髪が白い肌とのコントラストを演出し、肩方へと流れている。
優しい目をした気品を漂わせた落ち着いた印象だ。
「なんでみんな、アレにはまっているのかしら?」と独り言を言っているのが聞こえた
やがてこちらに気付いたようだ。

「こんにちは。田中健斗さんですね?
私はエンデリオンといいます。ダンカン村長からお話はうかがっております。」
丁寧に両手を揃え、爽やかな笑みを浮かべながらあいさつしてくれた。
チャット機能か何かで話は既に通ってたらしい。
「ちょうど良かったです。人手が足りなくて困っているところでした。
簡単なお仕事ですので、負担を感じる必要はありません。
聖堂の右側に鶏が見えますね?その鶏から卵を採取してください。」
(卵の採取か、簡単そうだな。)
「卵は両手に何も持っていない状態で雌鶏を触れていれば採取できます。」
(え?もしかして卵って巣から取るんじゃなくて直接その場で産ませるの!?)

健斗は鶏たちに近づき、触れようとすると逃げられてしまった。
「まさか、こんなことに苦戦するとは。この!」
どうにか捕まえることができた。
「これからどうしたらいいんだろう?触れればいいと聞いたけど。」
すると鶏は「コケ~・・・」とあきらめたように鳴き卵を産み始めた。
「・・・卵の採取って普通こうやるものなのか?それとも異世界特有のもの?」
スキル画面をみると卵採取スキルがあった。こんな事にもスキルがあるのか。
軽いカルチャーショックを受けながらその後もいくつか卵を採取した。

※ ゲーム本編ではこの時1個でいいです

 

エンデリオンの元に戻って卵を渡した。
「早かったですね。卵もまだ温かい状態です。」
エンデリオンは卵を籠に移しながら嬉しそうな表情を浮かべた。
「本当にありがとうございます。優斗さんのおかげで助かりました。お礼に祝福ポーションをお渡しします。
祝福ポーションを使うと所持品に祝福を与えることができるのですが、祝福を付与したアイテムは耐久力の消耗が少なくなります。」
駆けるだけで装備などの耐久度が増すのか?どんな薬品なんだろう?
「祝福ポーションが必要な時はアルバイトの時間に私のところに来てください。
今後ともよろしくお願いします。」
「こちらこそ、これからよろしくお願いします。」
こうして異世界で最初の仕事の卵採取を終えた。